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原生のブナの王国をゆく

振り返れば今年のGWは好天に恵まれたタイミングでありましたね。

5月3日、秋田県側の白神山地に関わる4団体合同で
黒石林道除雪終点から藤里駒ケ岳黒石登山口~有雪期にしかアプローチできない
冷水岳を経て、県境尾根を通し
岳岱(除雪終点)を周回するロングトレイルを研鑽会として9名のパーティーで入りました。

朝7:00除雪終点から黒石林道を、藤駒黒石登山口まで小一時間のアルバイト
今日、通す県境尾根が青空の下、流れるように佇んでおります。

登山口に到着から、まだ春遠い雪原の田苗代湿原をカットし冷水岳へ伸びる尾根へ
いよいよ登山の始まりです。

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本日は、雲一つない快晴、しかも風も無風。上はロングスリーブのシャツ一丁でも汗だくに!
コースは雪の下といえど、視野には我々意外に看板はおろか目印テープ
杣としての木々に見られるナタ目も皆無…原生のブナ~極相林の王国でした。
標高を稼ぐ毎に、藤駒の北面の新旧コースをはじめ田苗代湿原全体を俯瞰
見ることが稀なアングルから見る景色は新鮮そのものでした!

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※写真は県境尾根から見る黒石登山口のトイレ

地形図で現在地を確認しながら、急でもなく緩くもなくの軽快な尾根を進みます

眼下の山の斜面、ブナの1本1本の様子~間隔が明瞭に判ります

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↑冷水岳ピークは目の前。登山口から3時間程で冷水岳に至りました
ここから木々の間からでありますが小岳から白神岳、沿岸部の山系を眺めつつ休憩です。
雪景色ではありますが景色の尾根~尾根は冬に見える濃い青ではなく
赤味を帯びてます。木々の芽の色を蓄えた春の尾根の色ですね。
陽も高くなり、そろそろ雪が腐ってくるころか?と思えど、全然ぬからずで。
ツボ足のまま、いよいよ県境尾根をゆきます

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距離と標高を稼ぐとブナにダケカンバが混じってきますが
ブナ、カンバとも「巨大」立派な姿ばかりです(若いのや灌木は雪の下ではありますが)
木々の間隔も広く、きっと盛夏~旺盛に葉と枝を茂らせている頃には見応えがあるんだろうなぁ~って。

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そして何より、若いブナ、熟練というか力強いブナ、力尽きて往生したブナ
自然に森が更新して命を巡らせている世界を目の当たりにでき、身震いする程、感動の連続…

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コースの中間あたりから望む県境尾根。
白神山地は少なからずハードなイメージがありますが、空の条件も手伝いメロゥなラインが延々と…

右(南)に眼を遣ると、藤里駒と前岳、遠くには鳥海山や森吉山までも見通せました

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そして青森県方面は終始、植生の分布が面白く見える尾太岳(手前の山頂部が濃い緑の帽子を被ったような)と
先日、向かった岩木山が見えてました

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最後、岳岱方面に降りる頃には時間は14:00近く…

陽は高いんだけど、やや斜めになる…もうこの領域を離れる前に心が打たれた光景…

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朽ちる前は、それはもう立派な森の王者の風格のブナだったのでしょう
旺盛に制空権を得て枝葉を茂らせ、他のブナやカンバを寄せ付けなかった証が
円舞台のように拡がってました。
一つの時代(ブナの生命)が終わり、その空いた座を巡り、次の命達が新しい時代を築き上げる
こうして八千年から今日まで森を繋ぎ、続けてきたことは、ある意味では奇跡ではないかと

そう言えば気になったことが一つ
あわよくば、冬眠明けの熊の姿は贅沢すぎなれど、熊の足跡、いやカモシカの姿だけは…
と思いきや、そのカモシカの姿はおろか、糞、熊の足跡や新しい痕跡
ノウサギの痕跡も疎ら…いや皆無に近く…濃密な森の筈なのに…それが気になりました

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ただ爪跡は随所に見られましたが…

尾根を下降して岳岱へと。雪はコース残り200m程で雪は消えて、少しのヤブ漕ぎ

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しかし、結局は終始、カンジキを履くことなくツボ足で軽快に歩けたこと
そして真夏日勝りのような好天に恵まれたまま、16:00には無事、除雪終点に到着しました。

私的には本日でスノーシーズンの山は終了。
翌日からはザックの中味はグリーンシーズンモードに。

いよいよ春山、始まります♪

そして、この度、登山ガイドとして
マウンテンパイロット 森・沢山(もりだくさん)
を立ち上げました。

このブログ共々、宜しくお願い致します。










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プロフィール

佐藤 浩二

Author:佐藤 浩二
公益社団法人日本山岳ガイド協会 
職能別資格:登山ガイドSt.Ⅱ取得
認定団体「白神フォレストガイズ」所属
(遭難対策担当)

「Mountain pilot 森・沢山」として
この春より秋田県をはじめとする東北~東日本を主とした登山ガイドを展開いたします。


ローカライズとしては
世界遺産「白神山地」その秋田県側となる
藤里町秋田白神ガイド協会に所属
藤里町捜索救助隊 隊員

白神山地のガイドの傍ら世界遺産地域の巡視(林野庁)活動に携わっております。

白神山地…この名前は一度は耳にしたことがあるかと思います。
原生より今、この瞬間まで、脈々と息づいてきた純然な森がそこにはあります。
そしてその森が育む、空気、水、生き物、山の幸、美しい光景や自然現象
このブログでは少しでも、自然豊かな森の魅力を発信できたらと思い開設致しました。

そして白神以外にも、プライベートとして
『RAM』Round Adventure Morioka
http://ram-chan.com/index.html
に所属しております。

北東北~東日本の主要山系から沢、岩場、雪山も歩いております。
森の魅力と同時に、山の楽しさも一緒に伝えられたら幸いです。

https://www.facebook.com/beechmori/
「Mountain pilot 森・沢山」
も併せて是非、ご覧下されば幸いです。